アルコール依存症を看護する際のポイントとは?初期症状や治療方法が知りたい!

 

自他ともに症状が現れているのに、アルコール依存症の人はそれを病気として、なかなか認めることがありません。

アルコールに依存する人は、お酒を奪われることで心の安定が保てなくなることを恐れています。

アルコール依存症だということを認めたくないのは、自衛的な否認と言えます。

 

今回はそんな人をどのように看護すべきか、そのポイントを探り、初期症状や治療方法に付いてお話することにましょう。




 

「もしかして・・・」アルコール依存症が疑われる初期症状とは?

 

依存症の誰もが、生まれつきアルコール依存症だった、と言う訳ではありません。

1杯のお酒の味を覚えてしまったために、それがはしご酒に変わり、ついには
お酒がないと暮せなくなってしまうのです。

最初は気晴らしのために飲み始めたお酒が、段々と依存症へとなるケースも少なくありません。

 

アルコール依存症は少しずつ長い時間をかけて、徐々に心身が蝕まれてしまう病気なんです。

 

★第1期の症状

最初は何がしか悩みを紛らわすために始めた、と言って良いお酒。

アルコールに対する耐性が高まり、お酒の量が増えて飲むことが習慣化されます。

 

★第2期

さらに飲む量が増えていくことで、普通にお酒を飲んでもなかなか酔えなくなってきます。

そのうちにお酒を飲みすぎることで「ブラックアウト」と言う、記憶が飛んでしまう症状が現れたりします。

アルコールに対する依存がはっきりと出て、お酒がないことには気分が落ち着かなくなるのです。

 

★第3期

この頃になると、一層お酒による問題が増えてきます。

飲酒量の頻度をコントロールできなくなり、お酒がきれることで手が震えだす、
「アルコール離脱症(禁断症状)」が出るように・・・。

そして、自分の意志だけでお酒を断つことは、極めて困難な状態になってきます。

 

飲酒に関して注意されることで、頑固に否認や言い訳をするようになり、仕事では遅刻や欠勤を繰り返すようになるのです。

身体的にも肝機能の低下など、異常がみられるのもこの頃からです。

 

★第4期

この頃になると朝からお酒を飲み始め、仕事もしなくて外出もままならなってしまい、完全な依存状態になってしまうでしょう。

肉体的にも身体的にも衰弱することで命の危険さえも出て来ます。

 

★アルコール依存症の予防法

アルコール依存症の予防法としては、根本的には“アルコールは飲みすぎない” ように気を付けることです。

ただし個人差もあり、どれくらいが適当なのかは、その日の状態によっても変わって来ます。

厚生労働省が推進する国民健康づくり運動「健康日本21」によると、節度ある適度な飲酒としては、1日平均純アルコールで約20g程度であるとされています。

 

ビールで言えば500ml缶1本、日本酒で言えば1合(180ml)ですね。

 

また、週に2日はお酒を飲まない日を決めたり、女性や高齢者では、この基準以下が望ましいです。

 

アルコール依存症の正しい治療方

 

アルコール依存症の正しい治療法と言っても、そもそもは、症状が重度にならないうちにまわりの家族や本人が気が付くことが大切です。

 

アルコール依存症の怖さについては、一刻も早い理解が必要なのは言うまでもありません。

アルコール依存症はうつ病を併発することも多く、うつ病からアルコール依存症、アルコール依存症からうつ病を発症することも多いです。

どちらにしても、早期治療に取り組むことが非常に重要な病気です。

 

まずは、病院(精神科のアルコール外来)の治療を受け、断酒をするためのプログラムを行うことでしょう。

 

すでに重症の場合は、専門病棟に入院して他の患者と共に断酒生活を共同で行います。

特効薬はなく地道に治す必要があるので、9週間という長期の入院が基本となるそうですよ。

 

一般的にアルコール依存症は、女性の方がなりやすく、性格的には孤立しやすく羞恥心を感じやすい人、

抑うつ的・依存的・敵対的な気質の持ち主の人が、特になりやすいと言われていますね。




まとめ

 

家族にアルコール依存症の人がいることで、家族のだれかが何とかしようと一生懸命になる。

そのことに頭が一杯になってしまって、その人も同じように苦しんでしまう。

これは共依存と呼ばれるものです。

 

家庭内がこのような環境になってしまうと、アルコール依存症はより重症化してしまいます。

初期段階で自覚し、一刻も早い治療を受ければ苦しむことのない病気と言えるでしょう。

 

 

 

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