冷蔵庫にチーズを保存していたら、何とカビが生えてしまった。
ニオイを嗅ぐとチーズ本来の匂いと一緒に、カビの臭いもする。
カビと言ってもわずかだし、食べても大丈夫かな?
そもそもカビ入りチーズだってあるんだし・・・。
それでもやっぱり、食べるのは止めた方が良いのかな?
結論から言えば、少しくらいのカビなら食べても大丈夫です。
そのまま口にしても風味が変わっていなければ、カビを除去すれば問題ありません。
でも臭いが耐えられなかったり苦みを感じるようであれば、思い切って処分してしまいましょう。
カビで命を落とすことはまずありませんが、体調を崩す危険は生じます。
では、カビだらけのブルーチーズはなぜ平気で食べられるのでしょうか?
今回はカビがあっても、食べられるチーズと食べられないチーズは何が違うのか、述べてみたいと思います。
ブルーチーズはカビだらけなのに何で食べられるの?
あなたはブルーチーズを実際に見たことがなくても、写真でどんな形のものではあるのかはご存知でしょう。
私が初めてブルーチーズを目にした時は、形がどうのこうのと言うより、その独特な臭いに閉口したものです。
実際に見たことがあるあなたならお分かりでしょうが、納豆を食べ終わった後のプ~ンと容器から漂う臭いと言うか、人のワキの臭いにも似てますよね。
しかし、子供の頃からチーズが大好きだった私は、それを身近にしてしまった以上、食べない選択肢はありませんでした。
思い切ってフォークで少し切って、口に入れてみました。
すると、普通のプロセスチーズより塩気のある乳の味と言った感じで、特に抵抗もなく食べられたのです。
その後は同じブルーチーズでも、ものにより臭いの強弱はあるものの、どれも普通に美味しくいただいていますよ。
さて、ブルーチーズは見るからに青カビだらけですが、なぜ普通に食べることができるのでしょうか?
断っておきますが、ブルーチーズは結果的に、後でカビが生えてしまったチーズではありません。
製造過程で、わざわざ青カビを生えさせているのです。
何のためかと言えば、そうすることで風味が増して美味しくなるからですね。
世の中には、カビと名付けられたものは数万種類あるそうですが、その中でもブルーチーズに使うのは「ペニシリウム種」と言う青カビです。
このペニシリウムは、パンなど他の食品に生えると有害物質になります。
ところが、ブルーチーズの元になるナチュラルチーズには、これに含まれるアンモニアや熟成する環境のせいで毒素が生成されないのです。
だから口に入れてもお腹を壊すことなく、美味しいチーズとして食べられるんですね。
とは言え、実際にこのチーズを食べてしまった結果、下痢を起こしたりして体調を崩したと言う例はありますよ。
でもそれは青カビのせいではなく、チーズを食べてしまったことで体が拒否反応を示してしまったのです。
つまり、チーズアレルギーを起こしたと言う訳なんです。
有害物質化しない青カビを食べて、食中毒を起こすことはありません。
ただいくらカビに毒がないとは言え、チーズそのものが苦手な人に無理やり食べさせてしまえば、体調を崩してしまうことはあり得るでしょう。
ちなみに食べられるカビの生えたチーズには、ブルーチーズのほかに代表的なものとして、カマンベールチーズがあります。
カマンベールチーズは柔らかい中身を、白い皮のような表面で覆っています。
この白い皮がいわゆる白カビです。
このチーズは中身の品質を守り風味を保つために、熟成する段階で白カビの胞子を表面にかけているんですね。
見た目カマンベールチーズも美味しそうですが、私は個人的に中身の柔らかい食感が好きになれず、実はあまり食べたくありません。
チーズの本当の美味しさの秘密は、チーズ好きな人でないと伝わらないものかも知れませんね。
後から生えたカビの付いたチーズは食べても平気?
ブルーチーズやカマンベールチーズのように、製造段階で生成させたカビが付いたチーズは、食べても全く無害であることをお話しました。
では、冷蔵庫で保存した後にカビが生えてしまったチーズを食べることは、問題ないのでしょうか?
これは冒頭で述べた通り、ごく少量であれば、全く平気だと言って良いと思います。
一般にカビは、空気中で毒性のある雑菌に比べ、その威力は低いんです。
少量のカビなら、全て胃の中にある胃酸で死滅してしまうでしょう。
しかし、明らかにチーズの臭いとは違っていたり、味に苦みがあったり、多くのカビが生えてしまった場合は別。
もったいないとは思いますが、勇気を持って処分してしまいましょう。
後から付いたカビには、「マイコトキシン」と呼ばれる有害物質が形成されているからです。
この有害物質を大量に摂取してしまうと、食中毒症状の他に、湿疹などアレルギー反応を起こしてしまう可能性があるのです。
基本的に安全にチーズを食べるなら、製造されてからだいたい2週間以内に消費するのがコツ。
チーズに限らず、後からカビが付いてしまった食品を食べるのは、少量ならともかく、明らかに異変を感じるようなら止めておいた方が賢明でしょう。
カビが生えているのに食べても全く平気なのは、風味を増すために製造時にカビが生える過程を踏んだチーズのみです。
食べられるカビが付いたチーズの栄養とは?
一般的にチーズはカルシウムやたんぱく質が多く、体を作るのに重要な栄養素を持っています。
子供から大人まで摂取を推奨されているのは、周知のことでしょう。
その上でブルーチーズやカマンベールチーズは、風味など嗜好要素を高めるために、製造過程でカビを繁殖させています。
ではこれらのチーズは風味以外のメリット、つまり独特の栄養素はあるのでしょうか?
調べてみました。
するとカビ系のチーズは、タンパク質にビタミンやミネラルが、特に豊富であることが分かりました。
実際の効果としては、血圧の上昇を抑えてくれたり、認知症予防に効果があるとのようです。
それから可能性として、脂肪酸にガン細胞が増えるのを抑える働きがあるのだとか。
しかしまぁ、これらは研究結果で分かったことであり、元々栄養効果を求めて開発された商品ではないので、その効果はどれ程高いものかハッキリ言えないかも知れません。
それでもチーズとしての栄養素が高いことは間違いなく、食べることの楽しみを増やすと言う意味でも、積極的に摂取するのは良いことでしょう。
ちなみに補足ですが、青カビ系のブルーチーズには「パルミチン酸」と言う成分が含まれていて、これが肌のシワやニキビの発生を抑えるなど美容にも効果があるようです。
さらに、動脈硬化の予防にも貢献するとのことなので、もっとカビ系チーズは評価されるべきでしょう。
まとめ
以上、カビで臭いチーズを食べても少量なら平気だが、明らかに風味を失ってカビが多いものは処分した方が良いことをお話しました。
しかし、初めからカビを入れたチーズは決して危険ではなく、より風味や嗜好性を高めた食品として、積極的に摂取をおすすめできることもお伝えしました。
初めからカビの付いたブルーチーズや、カマンベールチーズが持つ独特の栄養素に付いては、一般のチーズと比べ特別に秀でたものであるかどうかは私には判断できません。
それでもチーズはそもそも栄養食品なので、ブルーチーズでもカマンベールチーズでも、食べて損することは全くないと思います。
とは言ってもチーズがどうしても馴染めない方は、ブルーチーズなど決して口にはしないでしょうが、もしあなたがワイン好きならとても相性が良いので、ぜひ一緒に食べてみると良いでしょう。
価格が高いのがネックなので常食するのは難しいのであれば、家庭や仲間とのパーティで話題作りのために用意する、と言う企画を立ててみると面白いのではないでしょうか。