今、世界中で「昆虫食が注目」されていることを、あなたは知っているでしょうか?
昆虫食とは、読んで字のごとく食料として “虫” を食べることです。
日本は現在、少子化現象で人口が減りつつありますが、世界的に見るとどんどん人口は増え続けているのです。
すると考えられるのが、今後の人口増加に伴う食糧自給率の低下、つまり食糧難に陥ると言うこと。
そこで今後のために準備されているのが、昆虫を一般家庭の食事に摂り入れることなんですね。
私たちの20年・30年後は、もしかして普通にグルメとして、虫を食べているのかも知れません。
今回は、昆虫食が注目されたきっかけや、本当に虫たちを主食にして食べることができるのか突っ込んでみたいと思います。
昆虫食に注目が行ったきっかけとは?
まずはこちらの短い動画をご覧下さい。
出典 サイエンスニュース2017
世界の人口がより増えて行くことで、今後は食糧難になってしまう可能性が高いことが、お分かりいただけたでしょう。
牛や豚・ニワトリは美味しいですが、これらはこの先、今以上大量に飼育するには多くの土地や飼料が必要なんですね。
そのための用地確保はますます難しくなるし、これら家畜を飼育させることにより生じる温室効果ガス(つまりメタンガス)の排出で、環境汚染が酷くなるのは目に見えています。
それを少ない土地・少ない飼料・少ない水で飼育でき、食料となる生き物は昆虫なのです。
昆虫は人間が生きて行く上で必要な、タンパク質・鉄・カルシウム・マグネシウム・亜鉛などを豊富に持っていることが、すでに明らかになっています。
つまり、これらの栄養を摂るために必要とされる家畜を苦労して大量に育てるより、昆虫を育てる方がはるかに少ない経費ででき、楽だと言う訳なんです。
で、これを推進するプロジェクトが、すでに世界中で始まっています。
もちろん我が国日本でも同じで、しかも技術的にそれほど難しいことではない。
しかししかし、この昆虫食を定着させるには、大きな壁があるんですよ。
もう、あなたは分かっていると思いますが、それは “見た目の気持ち悪さ” でしょう。
そもそも今の我々世代の日本人には、虫を食べる習慣がありません。
私たちは子供の頃、タモを持って昆虫を捕まえようと田んぼや森に入った経験はあるハズですが、誰もそれを調理して食べようとは思いませんでしたよね?
なので味はともかく、視覚で食することを拒否して育って来ているのです。
それをどうしたら克服できるのか、次に考えてみましょう。
実は日本にも昆虫を使う伝統料理がある
現在、地球上の人口は80億人に少し足りないくらいの数なのですが、その中で1/4に当たる20億人ほどが日常的に昆虫を食しているのだそうです。
その多くが、アフリカ大陸や東南アジアの人々なんですって。
日本を始め先進国では、あまり昆虫を食べる習慣はありませんよね。
でも少ないですが、実は日本でも昔から食べられている伝統の昆虫料理があるんですよ。
良く使われる昆虫は、イナゴ・ハチ・カイコ・セミ・コオロギです。
これらは長野県を中心に調理されているのだそうですが、私の知るところでは長野県の隣、岐阜県東農地方でも食べられています。
私の住む愛知県北東部から近い岐阜県東農地方は、伝統料理でイナゴの甘露煮があり、割と簡単に手に入ります。
なので私もこのイナゴの甘露煮は、何度か食べたことがありますよ。
見ると羽根や脚など、ほぼイナゴの原形をとどめているので、一瞬ドキッとしますが、食べてみるとサクッと歯ごたえの良い感じ。
味は、おせち料理に入っているタツクリそのものですね。
しょうゆと砂糖で甘辛くなっています。
少し濃いめの感じですから、ビールのおつまみにも良く合います。
目をつぶってしまえば、イナゴを食べているとはあまり感じません。
匂いは多少ありますが、いやな匂いではないですね。
また原産地は忘れましたが、蜂の子も食べたことがあります。
蜂の子はスズメバチの幼虫で、見た目は大きな白いご飯粒のようです。
知っている方もいるかも知れませんが、昔の汲み取り式のトイレ下の便槽にわくウジ虫にも似てますね。
なのでスズメバチの幼虫のことを、良くウジコとも言われます。
これをご飯に混ぜて食べる料理を、別名ウジご飯と呼んだりするんです。
聞こえは悪いですが、でもこれ、とっても美味しいんですよ。
かじるとプチと胴体がはじけて、蜂蜜のような甘い味がする。
とても昆虫を食べているとは思えないリッチな味で、実際この料理は高級料理とされていて値段も高い。
このように形さえ気にしなければ、普通に昆虫はグルメとしていただけます。
先入観を取り払えば何ともなく食べられるのですから、皆が普通に抵抗なく食べるには、子供の頃から親が食べさせる習慣を付けると良いでしょうね。
子供の時に「虫は美味しいんだよ」と、洗脳させてしまうのです。
こちらの動画をご覧下さい。
生まれた時から、昆虫は気持ち悪いと言う先入観がなければ、このように進んで食べてくれますよ。
協力 スズキタクトさん
では私たち大人が、頭から昆虫の形が離れられない場合はどうすれば良いのでしょう。
それは・・・、勇気を出して食べて慣れるしかありませんね。
一度壁を越えてしまえば、怖くなんかなくなるハズです。
と言うことで、次に実際にタガメスナックを食べてみた、女性の動画を見てみましょう。
これを見てしまえば、あなたも昆虫食に抵抗がなくなるかも知れません。
協力 ときひろみさん
いかがでしたか
あなたも意外と、普通に食べられる気がして来ませんでしたか?
昆虫食がどうしても苦手なら原形をとどめないスナック菓子はいかが?
昆虫食が美味しいことが分かったとしても、昆虫そのものが目に映る限り、どうしても口に運べない方もいらっしゃるでしょう。
ならば、昆虫を乾燥させ粉にしたものを混ぜた、スナック菓子から食べてみてはどうでしょうか。
これなら、それこそ全く抵抗なく食べることができて、昆虫の栄養価を摂取できると思いますよ。
未来コオロギスナックⅡ
▲この商品は現在販売されておりません
これは飼育しやすく大量生産可能な、コオロギを使ったお菓子です。
シンプルに塩味を利かせたもので、かっぱえびせんのような形をしており、見た目だけでは昆虫を使った食べ物なんて全く分かりません。
こちらは、無印良品が新製品として売り出したせんべい。
エビせんべいのような形と、香ばしい風味が特徴になっているスナックです。
普通にエビせんべいが食べられる方なら、全く抵抗なく口に運ぶことができるでしょう。
どちらもまだ、店頭で手に入れるには難しいかも知れませんが、通販なら手軽に購入できるので、友人同士や家族と話題作りの一環で食べてみてはいかがでしょうか。
また、東京のアメ横センタービル入り口には、最近、昆虫食スナックの自動販売機が登場しました。
こちらで販売しているものは、ゲンゴロウやバッタ・タガメなど29種類の昆虫スナック。
そのまま食べるも良し、調理して食べるも良しで、色々工夫して昆虫グルメが味わえるようですよ。
ただしこの自販機で扱っている商品は、原形をとどめないスナック菓子とは違い、先ほどご覧になった動画で女性が食べた原形丸出しのスナックなので、昆虫食初心者は少し勇気がいるでしょう。
いずれにせよ、日本の伝統の昆虫料理だけでなく、日常の料理として出される昆虫食が、普及するきざしが見えたと言えそうですね。
最後に
地球上の人口増加に対応できる栄養価の高い食料として、昆虫食が注目されていることをお話しました。
これらが日本ですぐに普及することはないかも知れませんが、10年後、20年後には普通に家庭でも食べられている可能性は高いと思います。
昆虫の眼や羽根・脚が気持ち悪いと言っても、良く考えてみれば、カニやエビだって同じような姿をしているのに、日本人は何の気も留めずに食べるでしょ?
ならば次第に昆虫食が普及しても、不思議ではないでしょう。
日本人が普通に食べる生の魚介類は、刺身や寿司などでなじんでますが、かつて海外の人々はほとんど口にしませんでした。
しかし現代ではグルメとして、多くの外国人がその味を求めて日本にやって来ます。
最初は皆、抵抗があったハズなのに、旨いと分かると抵抗がなくなるんですね。
我々日本人も昆虫食の美味しさが皆に分かれば、段々と愛好者が増えて行くんじゃないでしょうか。
未来を生き抜いていくためにも、そうあってほしいものです。
あ、それから忘れていましたが、イナゴやセミなどはカニやエビと同じように、甲殻類の仲間です。
なので現在カニやエビが食べられない方は、甲殻類アレルギーになる可能性があるので、昆虫食も遠慮した方が良いかも知れません。