あなたは1回当たり、愛車をどれくらい運転しますか?
もしかして、毎回チョイ乗りになっていないでしょうか。
実はこれって、エンジンに悪いことをしているんです。
チョイ乗りと言うと、エンジンに優しくて負担を掛けないと思いがちですが、これは逆で、シビアコンディションになっているんですよ。
今回は、車のチョイ乗りはエンジンに悪く、故障の原因にもなることをお話しましょう。
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車のチョイ乗りって何キロくらいのことを指すの?
車のエンジンの始動直後は、エンジンオイルがまだ十分に循環していないので、内部部品の摩擦がまだ大きい状態です。
人間に置き換えて言えば、まだ血液が体中に行き渡っていないのと同じで、こんな時に急に動き回ろうなんてしたら、バタンと倒れてしまうかも知れません。
これは車も同じで、走り出してすぐアクセルを踏み込もうとするなら、車は悲鳴を上げることはないとしても、エンジンの稼働部分に大きな負担を掛けてしまいます。
走り続けることで、オイルがエンジン中に循環し、同時にエンジンの温度が上昇すれば調子が出てきて、本来の性能が発揮できるようになります。
この状態に至るまでに、走行距離は8㎞ほど必要です。
時速40㎞で走るとしたら、12分~15分程度走り続けることになりますね。
で、1回の走行がこれを下回る状態を、チョイ乗りと呼ぶのです。
あなたも良く考えてみて下さい。
普段、そんなチョイ乗り走行って案外多くはないですか?
いつも通勤で最寄りの駅の駐車場まで走るだけだったり、近くのスーパーへの買い出しに行くためだけに使ったりと・・・。
日常、愛車をそのように繰り返し使っているとしたら、あなたの愛車はシビアコンディションに陥っていると言って良いでしょう。
知らない内にあなたの愛車は調子を崩し、故障を免れない状態になるかも知れませんよ。
チョイ乗りがなぜ車をシビアコンディションに陥らせるのか?
ご存知のようにエンジンを稼働させるためには、燃料と空気が必要です。
空気の中には水分が含まれており、燃料と空気を混合させる際に、水分も一緒にエンジンに取り込むことになります。
水分は、エンジン内が燃焼して行けば蒸発してしまうものですが、これが走行距離が短いチョイ乗りでエンジンを止めてしまうと、蒸発し切らず水分が内部に残ってしまいます。
これを日常的に繰り返すと、水分がどんどんエンジン内部に溜まり、錆を発生させる原因になってしまうんですね。
また水分は、エンジンを潤滑させるエンジンオイルとも交じって、オイルを劣化させることにもなります。
オイルが劣化してしまえば、エンジンに大きな影響を与えてしまうことは、あなたも容易にお分かりでしょう。
人間も体中の血液が汚れてしまえば、不調になりますがこれと全く同じです。
エンジンの吹け上がりが悪くなって、パワーが低下したり、同時に燃費が悪くなることも免れません。
エンジンオイルが最悪の状態になると、ミルク色に変色してしまい、エンジンが焼き付いて始動不可能になることも考えられるのです。
ですから、長く愛車に乗り続けたいと思うなら、極力チョイ乗りを避けるようにしなければなりません。
次の項では、どうしてもチョイ乗りが避けられない場合に、あなたができる対策についてお話をしようと思います。
チョイ乗りで車がシビアコンディションに陥った場合の対策
あなたのライフスタイルによっては、愛車のチョイ乗りが避けられないこともあるでしょう。
日常の使用で1回の走行が8㎞を超えるなど、そうある訳ではないですからね。
ですから、エンジン内に徐々に水分が溜まって行くのは、どうしようもありません。
そのための対策は、もっとも影響の高いエンジンオイルの交換時期を早めることです。
では、何㎞走行したら、交換するのが良いのでしょうか?
それには諸説ありますが、ここで、だいたいこれくらいで交換すべき走行距離をお伝えしようと思います。
どの車も多分ボンネットの裏を見ると、メーカーが定めたオイル交換時期が印刷されたラベルが貼ってあるはずです。
これを見ると、おおよそ10.000km~15.000kmで交換するように、表記されているのではないでしょうか。
しかしこの数値は、チョイ乗りを繰り返して、シビアコンディションに至っている状態の車には当てはまりません。
通常カーディーラーで推奨される、5.000km~6.000kmでの交換をおすすめします。
ガソリンスタンではもっと短く、3.000kmでと言われたりしますが、最近の車の耐久性は非常に向上しています。
なので、まずカーディーラーで言われる距離で交換すれば、問題はないでしょう。
ただし、5.000km~6.000km以内でも、交換して1年を超えることのないようにして下さいね。
エンジンオイルは、常に過酷な環境にさらされているため、走らなくとも自然に劣化してしまうものなんです。
1年を越えないまでも、できることなら半年程度で交換する方が、エンジンのためには良いことでおすすめですよ。
そして2回に1回は、オイルと一緒に、オイルエレメント(オイルフィルター)も交換するようにして下さい。
さらにまた、ここで条件があります。
今お話したのは、あくまで自然吸気式のエンジン車に限ること。
これが高出力のターボ車であったなら、この場限りではありません。
これはガソリン車でもディーゼル車でも、また軽四輪車でも同じです。
ターボ車のチョイ乗りなら、ためらわず3.000kmで交換して下さい。
このようにオイルの交換に気を使いたくないならば、「リーフ」のような電気自動車はエンジンがないので、シビアコンディションに至ることはなく、チョイ乗りが多いユーザーには向いているかも知れませんね。
バッテリー管理さえしっかりすれば、チョイ乗りで車が傷むことはないでしょう。
ちなみに、「ノートe-パワー」も電気モーターで走行しますが、充電するためのエンジンが搭載されているので、やはりチョイ乗りには気を付けた方が良いです。
まとめ
車のチョイ乗りは、一見エンジンに対して優しそうですが、これは認識を変えていただきたいと思います。
1回の走行距離が8㎞以内を日常に繰り返すと、その車はシビアコンディションに陥ります。
万が一の、エンジンが焼き付くようなトラブルを回避するためには、あなたの愛車は5.000km~6.000kmでエンジンオイルを交換するようにして下さい。
さらにエンジンの種類を問わずターボ仕様車なら、3.000kmで交換しましょう。
できることならば普段からチョイ乗りを避け、近くのスーパーマーケットくらいなら、散歩がてら徒歩で向かうような努力をしてみてはいかがでしょうか?