世間ではステマの横行で、ネットを中心に随分と騒いでいますね。
ステマは “ステルスマーケティング” の略で、「ステルス(隠れた)」「マーケティング(広告)」と訳せば意味が分かりやすいでしょう。
主にネットを通じてステマは行われるので、大々的に広告費を使わずに済み、商品を売りたい企業に取っては、有難いマーケティング方法と言えるのです。
ただこのステマ、消費者に不利益を与えると批判が相次ぎ、大きな問題となっています。
一体ステマの何が問題なのか、事例を交えながらお話しようと思います。
ステマの事例から、ステマの何が悪いのか検証すると・・・
ステマの事例で最も分かりやすく、また世間で騒がれたものに、2012年に起こった「食べログステマ事件」があります。
店を繁盛させるため、食べログのポイントアップを狙い、業者にお金を払って良いレビューを書き込ませたと言うもの。
お店のポイントが上がれば、それを見て来店する客は増えます。
ところが、これを見破った食べログ運営の「価格.com」が公表したことで、世間にステマが広く知れ渡ったのです。
最近の事例では、「アナと雪の女王2」の感想をツイッターに描いたマンガ。
実は、ディズニー側の依頼で投稿されたステマだったのでは?と言う疑惑ですね。
マンガを描いた作家は複数人いて、ツイッターでは有名な存在で、以前から影響力のあると言う人達。
彼らは事前に、ディズニーから報酬を受け取っておきながら、中間的な立場で一般人を装いマンガを描き、ファンをあおったのだとか。
ディズニー側が彼らに報酬を払ったのは事実だったのならば、本来はPR表記をすべきだったんです。
ところがディズニー側は、コミュニケーション不足が原因で、これが欠如してしまったと言い訳していますね。
でも、結果的にステマになったのは間違いありません。
7本投稿されたマンガで、ツイッターは炎上してしまったのですから。
ここでステマ行為の何が悪いのか、考えてみましょう。
企業のPRと違い、一般の人のレビューや口コミは信用されやすいものです。
それがサクラによるやらせだったことが発覚すれば、消費者やファンを騙したことになるでしょう。
騙された人達の立場で考えれば、当然許されない行為ですよね。
またもっと大きく言えば、業界全体の信用を落とすことにもなります。
A社の商品の口コミがやらせだと言うのなら、同じような商品のB社の口コミもやらせではないのか?と疑問を呈してしまうでしょう。
せっかく口コミの良い商品を買おうとしていたのに、買い控えてしまうこともあるかも知れません。
レビューや口コミと言うものは、企業や店舗の売り言葉に翻弄されるものではなく、あくまでユーザーや消費者の声でなければ意味がありませんよね?
ツイッターやフェイスブックなど、世間に浸透しているSNSではユーザーの目線は厳しく、やらせはいずれバレてしまうもの。
世間体も業界の信用もなくしてしまうので、ステマは止めてしかるべき行為なのです。
一時的に効果があるからとは言え、後から高い代償を払うのは目に見えてますからね。
Amazonもステマレビューしている?
実は私は、ある商品のレビューブログを複数運営しています。
その中には、Amazonが扱っている商品も含まれます。
Amazonで売れ筋の商品は、たいてい多くのユーザーレビューが掲載されているでしょ?
私もこれを参考にしながら、自分の意見を添えてブログにレビュー記事を書くのですが、このユーザーレビューには時々不自然なものを目にします。
安いだけがメリットで大した性能でもないのに、その商品をやたら褒めちぎっているんです。
しかも、日本語にはなっているんだけど、全体的に言い回しが変。
書き込んだユーザーの名前を見ると、漢字ではあるものの、どうも日本人ぽくない。
さらにもっとたどって行くと、同じよう不自然なレビューが、いくつも発見できたりするんですね。
どう見ても、商品のPRをしているとしか思えない書き方だし、どれもデメリットが書かれていない。
恐らく中華系の人達が、お金をもらってステマしているのでは?と私には思えます。
日本人が見れば、誰でもヤラセだと気づくはずですが、これを平然と書き込む神経がとても理解できませんねぇ。
商品レビューブログを運営していると、時々メーカーや販売会社からメールをいただくことがあります。
「当社の商品をぜひレビューしてほしい」と。
で、その商品を借りたり、支給してもらったりするんです。
実際の商品を手にすれば、リアルなレビューができるので、私はそれを歓迎しています。
でも、ただの1度も、お金を受け取ったことはありませんよ。
商品を提供した企業側も、レビューしてくれとは言って来ても、PRしてくれとは要求して来ませんしね。
私はレビューして紹介した商品が売れると、数パーセントの報酬が入るので、良いように宣伝したいのはヤマヤマです。
ですが、良いことだけ書いても、商品は売れないのを知っています。
どんなものでも、メリットがあればデメリットも必ずあるもの。
メリットを紹介しつつも、素直にこんなデメリットもあるよ、と記事を書いています。
その方が、読者の皆さんは信用して商品を買ってくれるんです。
ウソっぽい記述は絶対疑われますから、正直な感想をレビューする方が、レビューブログに皆さんが集まって来るんですね。
ステマ行為でものを売るんではなく、販売する側は、あくまでも良い商品作りに専念して、高い評価を得るのが商売の基本だと私は思っています。