少し前、世間をざわつかせた年金受給の年齢引き上げのニュース。
今現在、65歳からの受け取りができる年齢を、さらに68歳に上げようとする動きです。
その理由はどこにあるのか?
高齢者の働き方が多様化しているため、と当時の労働大臣はおっしゃっています。
年金を受け取るまで労働させ、保険料の納付を確実にする。
さらには、68歳に年齢を引き上げさせ受給水準の上昇させることで、結果的に、65歳から受け取ることができる年金額よりも増える仕組みを作るのだそうです。
ですが、私個人としてはこれは年金財政が厳しいため、年金支給開始時期を遅らせたいのだと思っています。
あなたも知っての通り今の年金は財政難で、自分たちが将来本当に受け取ることができるのか、不安の種になっていますね。
そのため、少しでも年金支給開始時期を遅らせ、なおかつ納税額を増加させたいのが本音でしょう。
この年齢引き上げ案がどうなるのか、今後も注目していきたいと思います。
ともあれ、今の状況が続くのだったら、この先どうなるのでしょうか?
次の項で簡単に説明しましょう。
年金受給額の最高額を受け取れるのはこんな人
国民年金の受給額は、決められた期間の間、どれだけ保険料を納めていたのかで変わります。
年金は、決められた期間保険料を決められた分収めた人が、満額の年間77万9300円を受け取ることができます。
これは1ヶ月に換算すると、だいたい6万5000円程受給できることになりますね。
もしも失業等をして保険料を支払うことができない人は、年金事務所へ相談すると免除になることがあります。
もちろん、その場合は満額を受け取ることはできません。
10年以内であれば、後から追納することはできますが、それでも保険料を納めるのが難しい人もいるでしょう。
その場合、年金を受給するのにどのような違いが出るのか、次に説明したいと思います。
年金免除を申請した人の30年後にこんな将来が待っている
年金を20歳から30歳まで払っていたけれど、以降は失業して保険料を払うことが難しく、60歳まで全額免除を申請していたとしましょう。
つまりは30年間全額免除で、実際に保険料を納めていたのは10年だけとします。
その場合は、まず納付した月数は120ヵ月で、全額免除の月数が360ヵ月とします。
全額納付期間の年金額は、77万9300円 ×120/480=19万4825円になります。
そして、全額免除期間は年金額が半分になるため、77万9300円 × (360÷2)/480=29万2237.5円です。
ややこしいので、小数点以下は切り捨てます。
この2つを合わせると48万7062円になり、これが1年でもらえる年金額になります。
1ヶ月当たり、だいたい4万円少しだけ貰えるということになりますね。
全額納めている人と比べると、年間で29万円以上の差が出てきます。
歳をとって収入がなく貯金もない場合は、とてもじゃないですが暮らしていけません。
もしも免除を受けている方は、将来について真剣に考えてみましょう。
まとめ
普段生活するのに使っている金額を考えるだけでも、国民年金だけだと老後生活していけないと思います。
恐らく国民年金以外にも入っている方が多いと思いますが、免除等をしてそんな余裕がない人は老後に備えて、今から少しずつでも貯金ができるようにしましょう。
ちなみに、65歳から年金を受け取らずに70歳から受け取ることにすれば、繰り下げた月数だけ年金額が0.7%上乗せされます。
今後、もしあなたが貯金するのが難しいのであれば、受取の年齢を繰り下げることを視野に入れて下さいね。