高齢化が急速に進む日本では、益々将来の年金や、定年後の再雇用への不安が広がっていますね。
そんな老後生活への心配が増す中、解決策の1つとして「リバースモーゲージ」と言う新しいシステムがあることを、あなたはご存知でしょうか。
今回は生活保護の観点から、最近盛んに耳にする、このリバースモーゲージのメリットやデメリット、また隠された問題点に付いて見て行こうと思います。
リバースモーゲージの、まだあまり知られていないメリットとデメリット
リバースモーゲージとは、持ち家のある高齢者がその家を担保に老後の生活費などを、一時金または年金形式で借りられる貸付制度を言います。
リバースとは元々英語で「逆」、モーゲージとは「抵当」という意味を表します
一般的には、各自治体が運営していたり、銀行などが扱っています。
新しい画期的なシステムですが、果たしてこの商品にはどのようなメリット、またデメリットがあるのでしょうか。
リバースモーゲージでは、借入の返済は住宅を売却して行い、自宅を手放すことなく融資を受けることに特長があります。
そのため、債務者が生きている間には、返済の義務がないことがメリットと言えるでしょう。
デメリットとしては、長生きするとリスクを伴うことや、金利上昇リスク・不動産価格下落リスクなどが挙げられます。
もう少し詳しく言えば、長生きすればするほど、金利などで返済金額が膨らんでくるんです。
金利上昇や不動産価格の下落などさまざまな要因で返済金額が膨らんだり、借入の上限が変更になったりすることもあるので、あらかじめ十分理解しておくことが必要です。
また、相続人に不動産を財産として残せないことも、デメリットだと言えるでしょうね。
リバースモーゲージは、利用する自治体や金融機関により条件などのルールが異なるため、内容や利用条件、メリットとデメリットをしっかり把握してから利用するようにしましょう。
リバースモーゲージの隠された問題点とは?
①債務者の長生きリスク
通常、リバースモーゲージは債務者の死亡後に不動産を売却しますが、銀行や自治体は無期限で債務者の死亡を待ってくれる訳ではありません。
なぜなら債務額が不動産の評価額を超えてしまった場合、担保割れする可能性があるからです。
そのためリバースモーゲージにはあらかじめ契約期間が定められているケースがあります。
そこで、契約期間を超えて債務者が長生きした場合に、問題が生じて来るのです。
銀行や自治体は、利息を含めた債務を一括で返済するように求めますが、高齢者である債務者にとっては難しくなることが予想されますね。
返済できない場合は、債務回収のため債務者は家を失うことになってしまい、さらにそれまで受取っていた融資が停止されることで、生活を維持すること自体が困難となってしまうのです。
②不動産の評価額が低下する可能性がある
リバースモーゲージ契約時には、不動産価額に応じて、その後一定期間受取れる融資額を決定します。
しかし、リバースモーゲージ契約期間中に不動産評価額が下がれば、担保割れの可能性が生じます。
そのため債権者である金融機関や自治体は、融資額を少なくしたり、場合によっては
融資そのものを停止したりするかも知れません。
③「土地」に対する融資である
我が国日本では、不動産を評価する場合は、「建物」部分はあまり評価されません。
大部分は「土地」によって不動産評価額が決められます。
そのため、リバースモーゲージは一軒家を自宅としている方が主な対象者となります。
マンション住まいの場合は、条件が厳しく設定されていることが多いようです。
まとめ
リバースモーゲージは、超高齢化社会と言われている日本社会において、徐々に受入れられていく制度かも知れません。
しかし、利用する際は今回取上げた問題点を十分把握した上、
家族と良く相談してから決めるべき金融商品でしょう。